家族になるということ

信号が赤になり車を停めて窓の外に目をやる。
犬の散歩をしている人が見える。

あれはブルドッグ。

ゆっくり歩くその歩調に
飼い主も合わせている。

ガードレールの近くを通るとき
飼い主は犬に目を向ける。

このあたりでマーキングをするんじゃないかな〜
という視線。

犬も飼い主に顔を向ける。
いんや。ここじゃない。もうちょい先。

ガードレールの先に雑草が生い茂っていた。
犬は少し草むらをかき分けて入る。
飼い主も足を止めてしばし待つ。

息ぴったり。

二人が会話をしているような。
いや、あれは会話してたな。

私は犬はおろか、猫も飼ったことがない。
でも今日の二人を見て

家族なんだな〜と心からそう感じた。

犬は人間よりも寿命が短い。
子どもの頃は手がかかる。
歳をとっても大変だ。

子育ての大変さと
介護の大変さ。

両方を経験するんだ。

人を犬や猫と一緒にするなと
叱られそうだが。

心を通わせながら成長をともにする。
それは人でも犬でも変わらない。

いきものの一生をともに過ごす。
お世話をする。

私のしたことのない介護まで経験するんだ。

動物を飼うということは
いきものの一生を目の当たりにする
ということ。
一番大変な子ども時代と高齢時代をお世話すること。

誰にでもできることじゃない。
でも、これだけ大変だから心が通わせられて
家族になっていく。

人間の子育ても大変だ。
でも、その大変さを一緒に過ごすから
家族になっていく。

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文字をデザインする。 人をデザインする。 「生きる」をデザインする。